運営:鈴木健司社労士・精神保健福祉士事務所
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また、当事者ご本人の側の問題もあります。例えば、普段自宅では、しんどくてなにもやる気がせず、寝間着のままで過ごしている女性が、あしたは診察の日なので、久しぶりにお風呂に入り化粧もして身綺麗にして診察に臨む、ということはよくあることです。日常生活を見ていない医師は、「身辺の清潔保持」は「できる」(1点)と判断してしまうかもしれません。
また、例えば、妻と同居している男性で、3食全部を妻が料理・配膳してくれていても、ご本人が食欲がないために、気が向いた時に好きな物しか食べない、という方がいらっいました。このような状態は、本来ならば、3点の「自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる」と評価されるべきです。ところが、診断書には「できる」(1点)にチェックされていました。ご本人に尋ねると、診察の時に医師に「食事は摂れてる?」と質問されたので、「はい」と答えた、ということでした。
ご本人の日常生活の実態をリアルに主治医に伝えることが大切です。そのためには、普段の具体的なエピソードを忘れてしまわない間にその都度メモをしておきましょう。そして、診察の時にそのメモを医師に見てもらいましょう。
その際に注意するべきことは「常態化」という現象です。例えば、財布を毎月のように落としてしまうという方がいらっしゃいました。このような状態は、本来ならば、「金銭管理と買い物」は、「助言や指導があればできる」(3点)と評価されるべきです。ところが、その方のお母さまに「ご本人は金銭管理はできますか?」と尋ねると、「別に問題はありません。」と答えられました。よくよくお聞きすると「毎月のように財布を落としてしまうが、財布には、大きな文字で電話番号・連絡先を書いてあるので、いつも戻ってくるので問題ありません。」とのことでした。
このように、一般社会常識で考えれば、大問題であるようなことが、ご本人や家族にとっては、長年慣れっこになってしまっているために特に問題視しなくなってしまっているのです。
ですから、ご本人と家族だけで、「これくらいのことは大したことではない。」と決めつけて
しまわないで、主治医に伝えて客観的に判断してもらう必要があります。
日常生活上の援助を行える家族との同居、入所施設やグル―プホーム、独居であっても日常的
に家族の援助や福祉サービスを受けている場合など、当事者の生活環境はさまざまです。
そこで、①日常生活の制限の度合いを適切に把握し、②能力の過大評価にならないように
単身でかつ支援がない状況で生活した場合を想像して、その場合の日常生活能力を主治医に伝
えるようにしてください。
障害評価にあたっては、1年間の予測勘案方式が採用されます。障害認定日を点としてとら
え、そのときの状況だけで判断されるのではなく、おおむね今後1年間の障害の動向を予測し
て判断されることになっています。額改定請求が1年を経過しない場合は認められない理由は
ここにあります。とくに精神障害は、波があります。その波の底の状態についても考慮される
ことになります。例えば、障害状態の波が大きく揺れてしまい、気分が沈み、布団から出られ
ないようになったとき、仮に、家族と同居していなくて、単身生活をしているとしたらどう
か、ということを主治医に具体的に伝えることが大切です。
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