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障害者相談支援センターの精神保健福祉士から以下のような相談を受けました。 「紙山さん(仮名 40歳台女性)を支援して2年前に「うつ病」で障害年金の請求をしましたが、不支給になってしまいました。しかし、その後も症状は改善しないので、ご本人が再請求を希望されました。ところが、主治医は『前回の診断書でなぜ不支給になったのか、原因が分からないので』、と躊躇されています。再請求の支援をお願いします。」
そこでまず、不支給の原因を探るために、日本年金機構に対して、「障害状態認定調書(不支給の理由が記載された書類)」の保有個人情報開示請求を行いました。届いた障害状態認定調書には、不支給の理由として、「抑うつ状態による日常生活に著しい制限が認められない」と書かれていました。そのことを主治医の浜田先生(仮名)に報告し、再請求について相談しました。
すると、浜田先生は、「実は、紙山さんは以前から『物事の状況や意味が分からないことが多く、買い物時に代金の計算ができない』と訴えておられて、知的障害の傾向があります。」と教えて下さいました。その後、紙山さんは心理テスト(WAISⅢ)を受検され、その結果IQ40台でした。
浜田先生は、「紙山さんは知的障害のために、家事・育児をどうしたらよいかわからず対応に困り、それに起因して、抑うつ状態が発症した、と考えられます。紙山さんの生きづらさは知的障害に由来するものです。」と説明して下さいました。
そこで、「知的障害」で再請求することになりました。知的障害は先天性なので、「病歴・就労状況等申立書」は、出生日に遡って記入しなければなりません。私は、何回もご自宅を訪問して聴き取りました。紙山さんは、時折、涙を流しながら、幼い頃からのしんどかったことを話して下さいました。こうして出来上がった申立書も参考にして、浜田先生は診断書を作成して下さいました。
その結果、紙山さんは無事に、障害基礎年金2級を受給することができました。
(写真は本文とは関係ありません)
吉井さん(仮名 30代男性)のお父様から「親亡き後が心配です。一時期働けていても、もらえるのでしょうか」と相談されました。
高校普通科を卒業後、アルバイトをしても長続きせず、精神科を受診、心理テストの結果、IQ53で療育手帳B2を取得しておられます。
ご両親同伴で、ご本人と面談しました。礼儀正しく素直だが幼稚、という第一印象でした。コロナ禍なのに、質問するとその都度、マスクを外して答えようとされます。ヒアリングにより、吉井さんの生きづらさが浮き彫りになりました。「消費税の計算ができず、レジで不足することが多い。方角が分からず、地図・駅券売機の路線図を読めず、初めての場所にはひとりでは行けない。難しい漢字は読めない、音読できたとしても意味は理解できず、各種手続きをひとりではできない。知人にお金を騙し取られたり、安物を高額で売りつけられる。複雑な会話は理解できず、相づちを打ってごまかす。幼児向けTVアニメを楽しみに観ており、医師に『精神年齢は10歳程度』と言われる。アルバイトをしても、仕事内容が理解できず混乱し、長続きしない。自信喪失し、他人や仕事を怖がるようになり、ひきこもる」
「病歴・就労状況等申立書」を作成し、医師はそれも参考にして診断書を作成して下さいました。診断書の日常生活能力のチェックは、判定平均2.8点、程度3で、ガイドラインの障害等級の目安にあてはめると「2級又は3級」です。「微妙やなぁ」と気を揉みました。
3ゕ月後、お父様から「2級で永久認定でした」と電話を受けた時は、正直、驚きました。従来は、「IQ40代、療育手帳B1」で2級と認定されても、更新は1年後、というケースが多かったからです。
令和2年10月、再認定(更新)についての一部改正の通達が発出され、「更新期間の設定方法等の改善」が謳われていました。吉井さんのケースは、この通達の趣旨に則って運用された認定実務によるもの、と感じます。
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