運営:鈴木健司社労士・精神保健福祉士事務所
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工藤さん(仮名 50歳台女性)の友人の池田さんから次のような相談がありました。「工藤さんは、引越し後、無断で隣家の庭の草木を採るなどの奇行が始まり、クレームを受けたりして悩んでいます。私が精神科病院にお連れし、入退院を繰り返しています。障害年金申請の支援をお願いします。」
工藤さんのご自宅を訪問しました。真夏なのに、雨戸が全部閉め切られています。居間の外の物干しスペースは、トタン板で覆いつくされ、まるでバリケードのようです。「風が通らないので洗濯物が乾きにくくないですか?」と話しかけると、工藤さんは、次のように語ってくれました。
「隣近所のみんなに監視されています。だから、業者に頼んで目隠しを作ってもらいました。隣町の先祖代々の実家で生まれ育ちましたが、最近、両親が亡くなり、ここに引っ越してきてひとり暮らしです。それ以来ずっと監視されているので、いつも不安で緊張しています。」
統合失調症の当事者の中には、感覚が非常に過敏になり、しばしば自分が他人から見られているという「注察妄想」が出現する方がいます。
工藤さんの語りを上記のようにまとめていますが、実は、工藤さんのお話しぶりは、会話の文脈がまとまらず話の筋がはっきりしないため、聴き取りに何回も訪問し、長時間を要しました。このような思考過程の特徴は、統合失調症の症状のひとつで「連合弛緩」と言います。
食事、清潔保持などの日常生活上の困りごとも詳しくヒアリングし、「病歴・就労状況等申立書」にまとめ、主治医の浮田先生にお伝えしました。浮田先生は、これも参考にして診断書を作成してくださいました。その結果、工藤さんは、障害基礎年金2級を受給されました。
後日、友人の池田さんは、「工藤さんは、『全部稼ぐのは心が折れるけど、年金を土台にすれば、作業所に通ってみたい』と言ってます」と知らせて下さいました。
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