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高次脳機能障害

事例37:出産時出血のPRESが原因で発症、厚年2級受給

 Aさん(40歳代女性)の夫Bさんから電話がありました。「妻はお産の時に大量出血し、そのために脳を損傷し、それが原因で、てんかんになってしまいました。精神障害者手帳をもらえたので、障害年金申請のサポートをお願いします。」

 Bさんに障害者手帳用診断書を持参してもらいました。主治医は、C大学病院脳神経内科D先生でした。診断書には、「主たる精神障害:症候性てんかん、発作は投薬により制御は良好」と書かれていました。

 障害認定基準は、「てんかん発作については、抗てんかん薬の服用によって抑制される場合にあっては、原則として認定の対象にならない。」と定めています。なので、てんかんでは、障害年金の受給は困難です。

 しかし、診断書をよく読むと、「WAIS-Ⅲ IQ58、服薬管理・TVリモコン操作・着衣動作などができない。」という記述もありました。病名としては明示されていませんでしたが、高次脳機能障害、と思われる症状が書かれていました。

 C大学病院とは、普段から懇意にさせて頂いている関係なので、PSW(精神保健福祉士)を通じて、D先生の高次脳機能障害についての所見を問合せました。D先生は、「産科危機的出血で、可逆性後頭葉白質脳症症候群PRESによる後遺症として、症候性てんかんと高次脳機能障害と診断した。」と教えてくださいました。

 そこで、改めて、高次脳機能障害の主な症状、失語症・注意障害・記憶障害・行動と感情の障害・半側空間無視・遂行機能障害・失行症・半側身体失認・地誌的障害・失認症、の実情を詳しく聴き取らせて頂きました。Aさんは、ほぼすべての症状に苦しめられておられました。

 これらをまとめた「病歴・就労状況等申立書」も参考にして、D先生は、障害年金用診断書は、高次脳機能障害で書いてくださいました。その結果、Aさんは、障害厚生年金2級を受給することができました。

 Bさんは、「てんかん発作で倒れ痙攣が続いている状態で救急搬送され、3回も入院した光景が強烈に今でも浮かぶので、それが対象にならないという『障害認定基準』って、❓ですね。」と話してくださいました。

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